2017年12月11日
子どもはいろいろ、文字通り「十人十色」。子どもの「できない」ことに目を向けるのではなく、今「できている」ことに注目してみることが肝心です。
このシリーズでは、子育ての中で思わず「あるある!」と感じる、子どもたちのいろんな行動について、周りの大人はどのように寄り添えばいいのか、紹介していきます。
子どもが、幼稚園や保育園など家庭と違う大きな社会の場に出たときなど、思いがうまく伝えられないことがあります。そのとき、子どもはもどかしくて、思わず嚙みついちゃったり、手が出ちゃったりするのですね。多くの場合、言葉の発達とともに収まっていきます。それまでの間、Bくんのようなときには、「Bくんが好きなことは何だろう」「好きな遊びのときにも手が出ているかな」と考えてみることが大事です。
多くの子どもは好きなことに夢中になって遊んでいるときは、他の子どもにまで目がいかないもの。Bくんが本当に好きなことでじっくり遊ぶ時間を確保することが大事です。手が出やすい場面とは違うBくんの好きなことに誘ってみる方法もあります。とにかく、Bくんの好きなことを周りの大人が知っていることが重要なポイントです。
子どもは、決して友だちを傷つけたいと思っているわけでも、周りの大人を困らせたいと思っているわけでもないのです。まずはその子の好きなことをじっくりさせてみましょう。言葉の発達とともに、自然と手が出ることはなくなっていくので、安心してくださいね。
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河合高鋭 プロフィール
横浜国立大学大学院教育学研究科修了。修士(教育学)、特別支援教育士、日本ムーブメント教育・療法協会認定常任専門指導員。現在、鶴見大学短期大学部保育科講師。社会福祉法人相模原市社会福祉協議会福祉のしごと・魅力づくり検討委員会委員長を務める(2015年~2017年)。また、一般社団法人Get in touchで活躍中。障がいのあるなしにかかわらず、どの子にもうれしい保育をめざし日々幼稚園や保育所へ出向き奮闘中。