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おしながき

実践してみよう! 和食の盛り付けのコツとおもてなし

白いえのき茸、緑色の春菊、黄色の食用菊に、「あん」をかけた秋鮭の彩あんかけ。桜やあじさい、銀杏、柿など、季節感のある絵が入った様々な器・・・。季節の移り変わりや、おもてなしの気持ちを、器や盛り付けで表現できるというのは、実は和食ならでは。今回は和食における盛り付けとおもてなしのコツをご紹介します。

「美味しそうな和食」の盛り付け方

和食の盛り付けに対する基本的な考え方は、「三角形を三次元的に配置する」ということであり、これには「美しい」と感じる安定感があります。さらにそこから、少しくずして余白を残すといったように、基本からずらす楽しさやおもしろさもあるのです。

お料理やお皿の色とのバランスを見ながら、並べたり重ねたりして立体的でおいしそうに盛りつけてみましょう。いつもお皿に並べているお料理にちょっと高さをつけるだけでもかっこよく見えます。試してみてくださいね。

手軽に「季節」を取り入れる工夫

例えばお刺身を盛り付けるとき、大根の「つま」や大葉と一緒に盛ることが多いと思います。そこに、夏だったら氷を敷いたり、スライスしたきゅうりを置いたり、「つま」の代わりにスプラウトを使ったりするだけで、夏らしい涼しさを演出することができます。冬だったら「つま」をカブのスライスに代えてみると温かみを出せますよ。

さらに、人参や大根を桜や紅葉の型で抜いて、料理にちょっと添えたり、汁物に加えたりすることもオススメです。型抜きはお子さんに手伝ってもらって、親子で季節感を楽しんでみましょう。

相手へのもてなし

食事でおもてなしをするには、食べる人の顔を思い浮かべながら準備をすることが大切です。たとえば、具材には、相手が食べやすく、見た目もおいしくなるように包丁を入れます。また、寒い日に食事を提供する場合、早く暖まってほしいという気持ちで、温かい椀ものを最初にお出ししましょう。夏はその逆で、涼しくなるものが良いですね。相手が何をしてほしいのかを感じ取ることが、おもてなしの心です。そして、食べる人は作ってくれた人の気持ちを考えていただきましょう。ここに食事を提供する側と食べる側の心の通いあいを学ぶことができます。

おもてなしは、なにもお客様に対するものだけではありません。パパやママが食事を作るとき、子どもや家族の顔を思い浮かべながら食材を選び、栄養を考えながら献立を組み立てていませんか。それも立派な「家族へのおもてなし」。食事を作ってもらった側はその気持ちに応えてあげられるよう、感謝の言葉を伝えられるようになるといいですね。